(1)
万有引力の公式
\(F=G\displaystyle\frac{m_1m_2}{r^2}\)
において、高さを\(R+h\)として考えます。そして、ここでの重力加速度を\(g'\)とおいて、新たに重力\(mg'\)がかかっているとすると、
\(mg'=G\displaystyle\frac{Mm}{(R+h)^2}\)
となります。\(M\)は地球の質量で、\(m\)が上空にある物体の質量です。
よって、
\(g'=\displaystyle\frac{GM}{(R+h)^2}\)
となるんですが、この問題では\(G\)も\(M\)も与えられていませんので、準公式として、
\(GM=gR^2\)
を代入します。
▼補足
今、この問題は上空での重力加速度を求める問題ですが、仮に地表での重力加速度を\(g\)のまま、「重力=万有引力」という計算をしたとすると、
\(mg=G\displaystyle\frac{Mm}{R^2}\) より
\(g=\displaystyle\frac{GM}{R^2}\)
\(gR^2=GM\)
とできますので、これを公式のように扱います。
この関係式は、問題設定で登場する物体が高さ\(h\)にあるのか、地表にあるのかに関係なく、そもそも\(G\)や\(M\)や\(g\)も\(R\)も全部定数ですので、数値として同じ大きさである、という関係式にすぎません。だからこの関係式は一度導いてしまいさえすれば、いつでも\(G\)と\(g\)を入れ替えられる式だ、と認識しておいてもいいでしょう。
\(g'=\displaystyle\frac{GM}{(R+h)^2}\)
に\(GM=gR^2\)を代入すると、
\(g'=\displaystyle\frac{gR^2}{(R+h)^2}\)
ここで正解としていいですが、デザインを整えると、
\(g'=\left(\displaystyle\frac{R}{R+h}\right)^2g\)
となりました。式の形はどちらでもかまいません。
(2)
高さ\(h\)がゼロ、つまり地上では、重力加速度は\(g\)です。
また、(1)から\(h\)が増えるほど\(g'\)は反比例グラフのように曲線的に減りますので、図のような概形となります。
あとはシンプルに\(h=R\)、\(h=2R\)を(1)の式に代入して、そのときの縦軸の値を計算しておきましょう。
\(h=R\)のとき
\(g'=\left(\displaystyle\frac{R}{R+R}\right)^2g\)
\(g'=\left(\displaystyle\frac{R}{2R}\right)^2g\)
\(g'=\displaystyle\frac{1}{4}g\)
\(h=2R\)のとき
\(g'=\left(\displaystyle\frac{R}{R+2R}\right)^2g\)
\(g'=\left(\displaystyle\frac{R}{3R}\right)^2g\)
\(g'=\displaystyle\frac{1}{9}g\)
となります。