点A、B、Cにおけるエネルギー状況を表にまとめてみましょう。
▼エネルギー公式
位置エネルギー
\(U=mgh\)
運動エネルギー
\(K=\displaystyle\frac{1}{2}mv^2\)
A | B | C | |
位置エネルギー |
\(mgh\) \(=m・9.8・1.6\) |
0 |
\(mgh\) \(=m・9.8・1.2\) |
運動エネルギー | \(0\) |
\(\displaystyle\frac{1}{2}mv_B^2\) |
\(\displaystyle\frac{1}{2}mv_C^2\) |
力学的エネルギー | \(E\) | \(E\) | \(E\) |
問題文に、物体の質量も高さの基準面も設定されていないので、最初に定義しておくのがいいですね。
(1)
小球の質量を\(m[kg]\)、点Bの高さを位置エネルギーの基準面とする。
点Aと点Bとの間での力学的エネルギー保存則より
\(mgh=\displaystyle\frac{1}{2}mv_B^2\)
\(×\displaystyle\frac{2}{m}\)
\(2gh=v_B^2\)
\(v_B^2=2×9.8×1.6\)
\(v_B=\sqrt{2×9.8×1.6}\)
\(v_B=\sqrt{\displaystyle\frac{2×98×16}{10×10}}\)
\(v_B=\sqrt{\displaystyle\frac{2×2×49×16}{10×10}}\)
\(v_B=\displaystyle\frac{2×7×4}{10}\)
\(v_B=5.6m/s\)
ルートの中身を計算し始めてしまうと\(\sqrt{31.36}\)を処理するのにめんどくささがありますので、計算する前に素因数分解してしまう方がいいでしょう。仮にそのことを忘れて\(\sqrt{31.36}\)が出てしまっても、\(\frac{1}{10}\sqrt{3136}\)としてしまえば3136を素因数分解することで、一応計算はできます。
▼大きいルートの計算
素因数分解を利用する
(2)
点Aと点Cとの間での力学的エネルギー保存則より
\(mgh_A=\displaystyle\frac{1}{2}mv_C^2+mgh_B\)
\(×\displaystyle\frac{2}{m}\)
\(2gh_A=v_C^2+2gh_B\)
\(v_C^2=2gh_B-2gh_A\)
\(v_C^2=2×9.8×(1.60-1.20)\)
\(v_C=2.8m/s\)
(3)
点Cから先は、仰角60°に\(2.8m/s\)の初速度で投げ出された斜方投射の問題だと読み替えます。
\(v_C\)を鉛直方向と水平方向に分解すると、鉛直成分は\(1.4\sqrt{3}[m/s]\)、水平成分は\(1.4m/s\)になります。
点Cから投げ出されたあとから、最高点に到達するまでの時間は、鉛直成分だけ考えて、
\(v_y=v_{0y}-gt\) より
\(0=1.4\sqrt{3}-9.8t\)
\(9.8t=1.4\sqrt{3}\)
\(t=\displaystyle\frac{1.4\sqrt{3}}{9.8}\)
このときの高さは、
\(y=v_{0y}t-\displaystyle\frac{1}{2}gt^2\)
\(y=1.4\sqrt{3}・\displaystyle\frac{1.4\sqrt{3}}{9.8}-4.9・\frac{1.4^2・3}{9.8^2}\)
\(y=\displaystyle\frac{1.4^2・3}{9.8}-\frac{1}{2}・\frac{1.4^2・3}{9.8}\)
\(y=\displaystyle\frac{1}{2}・\frac{1.4^2・3}{9.8}\)
\(y=0.30m\)
よって、地面からの高さは
\(1.2+0.30=1.50m\)