(1)\(V\)を求める
船が静止していれば、波が速さ\(v\)で船の長さ\(L\)だけ進むのに要する時間は、距離÷速さより、\(\frac{L}{v}\)で表せます。
ところがこの問題では、船は図の右に速さ\(V\)、波は図の左に速さ\(v\)で動いているので、船に乗っている人から見れば、波が\(V+v\)の速さで通り過ぎているように見えます。
厳密に言えば相対速度の計算を行っています。
「相手-自分」から、相手を波、自分を船として、波が進む左向きを正に決めて、
\(v-(-V)=V+v\)
としていますが、1sごとにいくらずつ距離が近づくのか、離れるのか、という本来の相対速度の意味から考えると理解が早いかもしれません。
波も船も動いているときは、船から見て\(V+v\)で長さ\(L\)だけ進むので、この時間を\(t_1\)とすると、
\(t_1=\displaystyle\frac{L}{V+v}\)
\((V+v)t_1=L\)
\(Vt_1+vt_1=L\)
\(Vt_1=L-vt_1\)
\(V=\displaystyle\frac{L-vt_1}{t_1}[m/s]\)
単位の記載を忘れないようにしましょう。
(2)\(λ\)を求める
ある波面が来てから次の波面が来るまでの時間を\(t_2\)としています。この間に距離にして\(λ\)だけ進んでいるので、\(t_1\)を\(t_2\)、\(L\)を\(λ\)と書き換えれば同じように計算式を作ることができます。
つまり波が、速さ\(V+v\)で距離\(λ\)だけ進む時間を\(t_2\)とすると、
\(t_2=\displaystyle\frac{λ}{V+v}\)
\((V+v)t_2=λ\)
\(λ=Vt_2+vt_2\)
ここで、\(V\)は前問の値を代入できるので、
\(λ=\displaystyle\frac{L-vt_1}{t_1}・t_2+vt_2\)
\(λ=\displaystyle\frac{L}{t_1}t_2-vt_2+vt_2\)
\(λ=L\displaystyle\frac{t_2}{t_1}[m]\)
(3)\(f\)を求める
\(V=fλ\) より
\(\displaystyle\frac{L-vt_1}{t_1}=f・L\displaystyle\frac{t_2}{t_1}\)
\(L-vt_1=fLt_2\)
\(f=\displaystyle\frac{L-vt_1}{Lt_2}[Hz]\)