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新リ物 基227

コンデンサーの極板間の条件を様々に変えた場合の電場と電位の様子をグラフにしてみました。

 

[左の図]

誘電体がないとき、平行板コンデンサーの極板間の電気力線はすべて平行線であるとみなして、そのために電場がどこでも一定であるとみなします。

また、\(V=Ed\)の関係から、電場が一定ということは、電位のグラフを書いたときの傾きが一定という意味を表します。

 

[中央の図]

誘電体があるときは、誘電体部分の電場が少し弱まりますが、ゼロにはなりません。なので、電場のグラフは、同じ一様なグラフであっても少し値の低いところで一様になります。また、電位のグラフの傾きが電場の大きさなので、電場が大きい極板付近では傾きが大きく、誘電体内部の電場が小さいところの電位グラフは傾きが小さくなります。

 

[右の図]

挿入するものが金属の場合は、静電遮蔽が起きますので、金属内部に電気力線が侵入しません。電場もゼロとなります。そのため、電位のグラフでも、金属板があるところでは傾きがゼロになっています。

 

これらをふまえて問題を解いてみましょう。

 

(1)

これは公式そのままですので、

 \(U=\displaystyle\frac{1}{2}CV^2\)

 

(2)

極板間に挿入するものが金属ですので、静電遮蔽が起きて、金属部分の電場がゼロになります。電場がゼロということは、\(V=Ed\)の関係から、電位グラフの傾きがゼロということになりますので、金属板がある部分だけグラフを平らにしておいて、極板\(A\)が電位\(V\)になるように書くと、ちょうど図のように\(\displaystyle\frac{1}{2}V\)のところに電位が一定の線があらわれますね。

 

(3)

コンデンサーの内部の状況が変化しましたので、電気容量が変化しました。

このとき、挿入したものが金属板ですので、実質のところ、極板間隔が\(d\)から\(\displaystyle\frac{1}{2}d\)に変化したとみなすと簡単に解けます。

変更された電気容量は、

 \(C'=\varepsilon \displaystyle\frac{S}{\frac{1}{2}d}\)

 

 \(C'=2\varepsilon \displaystyle\frac{S}{d}=2C\)

 

となります。極板間隔が半分になったことで、極板に蓄えられる電荷どうしの静電気力が強く働きますので、電気容量が大きくなる、という仕組みです。

 

これによって、電気量を\(Q=CV\)から計算します。いま、この操作は電池がつながれたままで行われましたので、\(V\)は変化しません。

よって、

 \(Q=C'V=2CV\)

 

 

(4)

スイッチ\(S\)を開いたのちに金属板を取り去ると、極板に蓄えられた電荷が行く先がありませんので、電気量\(Q\)が一定となります。これは全問で求めた\(2CV\)を代入するといいですね。

また、電気容量は\(C\)に戻りますが、電位\(V\)は、もはや電池とつながれていない状態で設定をいろいろ触っていますので、違う値になっているはずです。

よって、

 \(Q=CV'\) より

 \(2CV=CV'\)

 \(V'=2V\)