基問196や基問197のように、電源と抵抗にT字を書いて分かっている値を代入しようとすると、全然空欄がうまってくれませんので、解けません。
この場合はどうすればいいのかというと、「合成抵抗を求める」という手段に出ます。これはパターン解法として知っておいてください。回路の問題では、まず「① T字穴埋めを考える」、それで手詰まったときには「② 合成抵抗を求める」。それでも無理なときには「③ 電源を流れる電流を文字で置く」、という考え方のステップを置くと、ほぼ100%解けます。
ほぼ、というのは、コンデンサーやダイオード、豆電球などが回路に入ってしまったときは、すんなりとはいかない場合もある、ということです。
[Step1]
そこで、まずは回路全体の合成抵抗を求めてしまいます。
抵抗の並列合成は
\(R_{並列}=\displaystyle\frac{積}{和}\)
の公式を使うと早いです。
これを使って、まずはBC間の合成抵抗を求めます。
\(R_{BC}=\displaystyle\frac{10×15}{10+15}\)
\(R_{BC}=\displaystyle\frac{150}{25}=6.0\Omega\)
[Step2]
次に回路全体の合成抵抗を求めるために、BC間の抵抗とAB間の抵抗を和を取ります。
抵抗の直列合成は、単純に足し合わせるだけで求まります。
\(BC\)間の合成抵抗が\(6.0\Omega\)と求まったので、これと\(AB\)間にある\(8.0\Omega\)を足し合わせればいいですね。
\(R_{AC}=R_{AB}+R_{BC}\)
\(=8.0+6.0\)
\(14.0\Omega\)
最後のたし算の有効数字に注意してください。加減算の有効数字は、位を揃えるルールがありますので、小数第一位+小数第一位の計算を行うときは、答えも小数第一位に揃えます。2桁と2桁の計算なので、答えを2桁に揃える、というルールはかけ算やわり算のときに適用される方のルールです。
[Step3]
回路全体の抵抗が求まったので、電源電圧\(42V\)から回路全体を流れる電流を調べます。
電源電圧が\(42V\)のとき、オームの法則 \(V=RI\) から、電流は\(3.0A\)となります。
回路の性質から、これがちょうど\(I_1\)に相当します。
[Step4]
あとは未知だったために解けなかった大体の数値が使えますので、各抵抗値を流れる電流を計算しましょう。
\(AB\)間の電圧はオームの法則から\(24V\)ですので、\(BC\)間の電圧は\(42-24=18V\)となります。
\(15\Omega\)の抵抗に流れる電流について、もう一度オームの法則を適用すると、
\(V=RI\) より
\(18V=15\Omega I_3\)
\(I_3=1.2A\)
すると、のこりの\(I_2\)は、
\(I_2=3.0-I_3\)
\(I_2=3.0-1.2\)
\(I_2=1.8A\)
と求まりました。
(3)別
\(8.0\Omega\)の抵抗に流れる電流が\(3.0A\)だということが分かりましたので、そのあとの分岐では\(I_2\)と\(I_3\)合わせて\(3.0A\)です。
この\(3.0A\)を\(10\Omega\)と\(15\Omega\)の抵抗に分配しますが、並列部分の電圧が一定なので、電流は、抵抗値の逆比に分配されます。
\(10\Omega:15\Omega=2:3\)なので、電流は、その逆比の\(3:2\)になります。
よって、\(3.0A\)を分配すると、それぞれ\(1.8A:1.2A\)ずつ流れることになりますので、\(15\Omega\)の方に流れる電流は\(1.2A\)ですね。