説明を簡単にするために、各抵抗にT字を書いておいて、\(V=RI\)を速さ・時間・距離と同じような計算ができるようにしておきます。
ジュール熱の計算なので、ジュールの公式を確認しておくと、
\([J]=[W]×[秒]\) です。
しかし、回路がつながっている以上、電流を流す時間\([秒]\)は完全に同じ値となるので、ジュール熱が何倍かを問われていても、要は電力\([W]\)が何倍差なのかが分かれば、それで答えまで持っていけるということが分かります。
ちなみに\([W]\)の公式は電圧×電流です。
\([W]=[V]×[A]\)
(1)
A、B、Cが同じ抵抗を持つ場合、とあるので、3つの抵抗を書く欄にRを書いておきます。
流れる電流値が不明なので、抵抗Cに\(I[A]\)が流れると置くことにします。
すると、ついでにオームの法則にしたがって、電圧\(RI[V]\)も分かります。
並列部分の電圧は同じ値なので、抵抗Bにかかる電圧も\(RI\)であることが分かり、そのことによって抵抗Bに流れる電流が\(I\)であることも分かります。
抵抗B、抵抗Cに流れる電流がどちらもIなので、抵抗Aに流れる電流はもともと\(2I\)だけ流れていたと分かります。\(2I\)の電流が分岐して上コースに\(I\)、下コースにも\(I\)だけ流れているわけですね。
で、抵抗Aでもオームの法則を使えば抵抗Aにかかる電圧が\(2RI\)だと計算できます。
あとは、それぞれの抵抗で\([V]×[A]\)をすると電力\([W]\)が計算できます。
抵抗Aでの電力は\(4RI^2\)、対して抵抗Cでの電力は\(RI^2\)なので、その差は4倍です。
(2)
抵抗Aと抵抗Bが同じ抵抗値で、抵抗Cは2倍とする場合も、同様の解き方で解けます。
まずは、各抵抗に\(R\)、\(R\)、\(2R\)と入れておきます。
抵抗Cに流れる電流を\(I\)と置きます。
すると抵抗Cの電圧は\(2RI\)と分かります。
並列部分は電圧が同じなので、抵抗Bも\(2RI\)と分かります。
オームの法則より、抵抗Bに流れる電流は\(2I\)と求まります。
よって抵抗Aを流れる電流は\(3I\)と分かります。
最後にオームの法則より、抵抗Aにかかる電圧\(3RI\)を求めて終了。
あとは、\([V]×[A]\)より、
抵抗Aの消費電力は\(9RI^2\)、抵抗Cの消費電力は\(2RI^2\)となり、
その差は\(\displaystyle\frac{9}{2}\)倍