(1)
起電力\(V\)の電池が、抵抗\(R\)の金属レールとつながり、直列回路を作っているので、
\(V=RI\) より
\(I=\displaystyle\frac{V}{R} [A]\)
(2)
フレミング左手の法則を使いましょう。フレミング左手の法則は、「中指・人差し指・親指」の順に「電・磁・力」です。
「電流の向き・磁場の向き・力の向き」ですね。
金属棒を流れる電流が手前から奥向きに流れているので、まず中指を奥の方に向けます。
次に、磁場は下から上に向いていますので、人差し指を上に向けましょう。
すると親指が右向きに向くと思います。
よって、金属棒にはたらく力は右向き。
このときの力の大きさは、フレミングの力の大きさの公式から、
\(F=IBl\)
ですが、(1)で電流が求まっているので、それを代入して、
\(F=\displaystyle\frac{vBl}{R} [N]\)
となります。
(3)
電池から周回する回路の部分を1回巻きのコイルと見立ててみましょう。
金属棒が動くと、コイルを貫く磁力線の本数が増加しますので、電磁誘導が発生します。
このとき、コイルを貫く磁力線の本数は、下から上に貫く本数が増えていますので、電磁誘導はレンツの法則から、その変化を打ち消すために、上から下に貫く磁力線を発生させます。
右手の法則から電流の向きを考えてみようと思います。この上から下に貫く磁力線を親指の向きに合わせると、残りの4本指は時計回りを向くことになります。
ということは、金属棒には電池から流れている電流を打ち消すような向きに誘導電流を流そうとしていることがわかります。
この電流に対しても(2)と同じようにフレミングの法則を適用してやると、今度は左向きに力を受けることになりますので、結局(2)の右向きの力と(3)による左向きの力がつり合って、合力がゼロとなり、金属棒は動くは動くものの、加速度ゼロで等速運動をする、という仕組みになっています。
このときの速さを\(v\)とすると、ファラデーの法則から、発生した誘導起電力の大きさは
\(V=vBl\)
となります。これを\(v\)について解けば、
\(v=\displaystyle\frac{V}{Bl}\)
となり、この問題を解くだけであれば、そんなに難しい話をしようとしているわけではないことがわかります。