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物基28 仕事と仕事率

仕事

 物体に力\(F\)を加えて、物体がその向きに\(x\)だけ移動したとき、力はその物体に仕事をした、といいます。

 

▼仕事

\(W=Fx\)

 

\(W[J]\) 力が物体にした仕事

\(F[N]\) 物体に加えた力

\(x[m]\) 力を加えた向きに移動した距離

 

 

 表現を変えると、『物体にした仕事』とは『物体がされた仕事』とも言えます。どちらの表現で聞かれても同じことが言われてるだけなので、ひっかからないようにしましょう。

 

 ある物体を2Nの力で3m引いたとき、力が物体にした仕事は2×3=6Jとなります。また、表現を変えて、物体が力にされた仕事が6Jともいうことができます。

 

 

仕事率

 物体に同じ仕事をするにしても、効率を考えると短時間で仕事が完了するほうが効率がいいですよね。

 たとえば、同じ100Jの仕事をするにしても、Aさんは10秒かけて仕事をし、Bさんは20秒かけて仕事をするのであれば、Aさんの方が2倍早く仕事をしているわけです。

 

 こういう場合ならすぐに効率の善し悪しがわかりますが、たとえばAさんが200Jの仕事を50秒で行い、Bさんが500Jの仕事を100秒で行う場合だと、どちらが効率がいいでしょうか。よーく読み解くと、Bさんは2倍の時間をかけてはいるものの、仕事は2倍以上行っているので、Bさんの方が効率はよさそうです。

 

 じゃあ効率は何倍くらいいいのか。そこまで深追いすると頭が混乱してきます。そこで登場する便利な物理量が仕事率です。これは1秒あたりにどのくらいの仕事をしたかを表す量です。単位には\(W\)(ワット)を使います。

 

 今の例なら、Aさんは200Jを40秒で行うので、200÷50=4.0W、Bさんは500Jを100秒で行うので500÷100=5.0Wとなり、どうやらBさんの方が1.25倍の効率になるようだ、ということが比較的シンプルな考え方で求まります。

 

▼仕事率

\(P=\displaystyle\frac{W}{t}\)

 

\(P[W]\) 仕事率

\(W[J]\) 物体にした仕事

\(t[s]\) 仕事に要した時間