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電磁気2 クーロンの法則

Coulombの法則

 クーロンの法則が発見されたのは、万有引力の法則が発見された1687年よりも100年ほど後の1785年のことです。ただ、万有引力の法則で使う万有引力定数が決定されたのは1798年なので、1785年の時点では、何となくの指針はあったけど、未解決問題として眠っていた法則だったんですね。

 

 でも、万有引力の法則があったからクーロンの法則の指針が分かって、クーロンの法則が説明できたから万有引力の法則も完成した、という感じでしょうか。いずれにせよ、産業革命真っただ中の、この時期にいろんな科学法則が発見されていきましたが、クーロンの法則も、その例に漏れなかったわけですね。

 

▼Coulombの法則

 \(F=k_0\displaystyle\frac{q_1 q_2}{r^2}\)

 

\(F[N]\) クーロン力(静電気力)

\(k[N・m^2/C^2]\) クーロンの法則の比例定数

\(q[C]\) 電荷

\(r[m]\) 電荷間距離

 

 「クーロン力の大きさ\(F\)は、2つの点電荷の電気量\(q_1\)、\(q_2\)の積に比例して、距離\(r\)の2乗に反比例する」という法則です。向きについては、よく\(F\)が正であれば斥力で、負であれば引力だ、と説明されていますが、わざわざそんな風に覚えなくても、問題の中でだいたい正電荷や負電荷であることは書いてありますから、同じ符号の電荷なら斥力ですし、異なる符号の電荷なら引力だとすぐわかります。

 

 クーロンの法則の前についている\(k\)は静電気力を及ぼしている空間の特徴を表しています。ふつうは真空で考えていて、その値は\(k_0=9.0×10^9[N・m^2/C^2]\)です。90億ですね。

 

 \(k_0\)は、この時点ではおよそ90億である、ということしか知られていませんでしたが、のちの研究によって、真空の誘電率\(ε_0\)を使って\(k_0=\displaystyle\frac{1}{4πε_0}\)と書けることが分かりました。コンデンサーあたりを勉強するときにもう一度、正式に登場しますので、今回は、こういう表現で書かれることもあるよ、くらいでとどめておきます。必要になったときにこの分野に戻って確認していければ十分でしょう。

 

▼Coulombの法則の比例定数

 \(k_0=9.0×10^9[N・m^2/C^2]\)