■解答
(1)
(ア) \(l+\displaystyle\frac{mg}{k}\) (イ) \(d\)
(ウ) \(l-\displaystyle\frac{mg}{k}\) (エ) \(\displaystyle\frac{2mg}{k}\)
(オ) \(\displaystyle\frac{1}{2}\sqrt{\frac{k}{m}\left[ d^2- \left( \frac{2mg}{k}\right)^2 \right]}\)
(カ) \(2\pi \sqrt{\displaystyle\frac{m}{2k}}\) (キ) 2
(2)
(ク) \(\displaystyle\frac{mg}{k}\) (ケ) \(0\) (コ) \(v\displaystyle\sqrt{\frac{m}{k}}\)
(サ) \(\sqrt{v^2-2gL}\) (シ) \(0\) (ス) \(0\)
(セ) \(4gL-\displaystyle\frac{mg^2}{k}\)
■解説
図が出来ていないので、とりあえず文面だけの略解。
(ア)
振動の中心は、力のつりあいの点となる。このときのばねの伸びを\(x_0\)とすると、小球2にはたらく力のつり合いの式より
\(kx_0=mg\)
\(x_0=\displaystyle\frac{mg}{k}\)
よって小球2の位置は、
\(l+\displaystyle\frac{mg}{k}\)
(イ)
単振動は力のつり合いの点を中心に振動するので、つり合いの位置から長さ\(d\)だけ引き下げたときの単振動の振幅は\(d\)
(ウ)
糸がたるみ始めた瞬間の小球2の位置を\(x'\)とすると、小球2にはたらく力のつり合いの式
\(T+k(l-x')=mg\)
において、\(T=0\)となるので、
\(k(l-x')=mg\)
\(l-x'=\displaystyle\frac{mg}{k}\)
\(x'=l-\displaystyle\frac{mg}{k}\)
(エ)
糸がたるむ瞬間の小球2の位置は \(x'\)
振幅\(d\)の単振動の軌道の上端は \(l+x_0-d\)
この2つを比較したとき、
\(l+x_0-d<x'\)
となればいいので、
\(l+\displaystyle\frac{mg}{k}-d<l-\frac{mg}{k}\)
\(\displaystyle\frac{mg}{k}-d<-\frac{mg}{k}\)
\(d>\displaystyle\frac{2mg}{k}\)
(オ)
つり合いの位置を基準点として、単振動のエネルギー保存を小球2について立てると、
\(\displaystyle\frac{1}{2}kd^2+0=\frac{1}{2}k(2x_0)^2+\frac{1}{2}mv^2\)
\(v=\displaystyle\sqrt{\frac{k}{m}[d^2-(\frac{2mg}{k})^2]}\)
(カ)
ばねの重心から見ると、ばね定数\(2k\)、長さが半分のばねが天井から吊るされていることと同等であるとみなせるので、単振動の周期の公式
\(T=2π\displaystyle\sqrt{\frac{m}{k}}\)
において、\(k→2k\)と読み替えて
\(T=2π\displaystyle\sqrt{\frac{m}{2k}}\)
(キ)
小球の"速度"が最小値をとる瞬間
=小球1が負の向き(鉛直上方)に"速さ"が最大となる瞬間
であることに注意すると、糸がたるみ始める瞬間、小球1の速度が0、 小球2の速度が鉛直上向きに\(v\)であるから、重心からみると、小球1の速度は鉛直下向きに\(\displaystyle\frac{v}{2}\)、小球2の速度は鉛直上向きに\(\displaystyle\frac{v}{2}\)となる。
小球1の速さが最大になる瞬間は、これらの振動が互いに逆向きになるときなので、小球1の速度は鉛直上向きに\(\displaystyle\frac{v}{2}\)、小球2の速度は鉛直下向きに\(\displaystyle\frac{v}{2}\)となる。
このとき、相対速度は
相対速度\(=\displaystyle\frac{v}{2}-(-\frac{v}{2})=v=2v_G\)
よって 2倍
(ク)
張力がないので、(ア)の導出の前半と同様
\(kx_0=mg\) より
\(x_0=\displaystyle\frac{mg}{k}\)
(ケ)
小球1,2の力学的エネルギーの和は保存されるので、反発係数\(e=1\)の完全弾性衝突と同じ変化が起こると判断できる。
運動量保存則と反発係数の式を連立してもいいが、2つの小球の質量が同じなので、単に速度交換が成立して、答え0
(コ)
たるみがなくなった直後は、小球2の速度が0となるので、小球1は単独で単振動を始める。
\(v=Aω\) より
\(A=\displaystyle\frac{v}{ω}\)
\(A=v\displaystyle\sqrt{\frac{m}{k}}\)
(サ)
(ケ)のように糸を媒介せずに、直接的に弾性衝突する場合も、当然ながら速度交換が成立する。
なので、衝突直後の小球1の速度は、衝突直前の小球2の速度と同じとなる。
この速さを\(v_2\)とおくと、小球2についてのエネルギー保存則より
\(\displaystyle\frac{1}{2}mv^2=mgL+\frac{1}{2}mv_2^2\)
\(\displaystyle\frac{1}{2}v^2=gL+\frac{1}{2}v_2^2\)
\(v^2=2gL+v_2^2\)
\(v_2=\sqrt{v^2-2gL}\)
(シ)
時刻\(T\)の直後に、
\(v_1>v_2\) であれば、糸はたるむ
\(v_1<v_2\) であれば、速度交換が起きて、\(v_1>v_2\)となるので、やはり糸はたるむ
よって糸がたるまないためには
\(v_1=v_2\)
でなければならない。
よって 相対速度\(=0\)
(ス)
\(F\)についての記述より、
・時刻\(T\)の直前に\(F≧0\)
・時刻\(T\)で\(F>0\)ならば直後に糸がたるんでしまう
⇔時刻\(T\)の直前に\(F≦0\)でなければいけない
以上を満たすためには \(F=0\)のとき、
つまり、ばねから力を及ぼされないということは、自然長のとき
よって \(x_1=0\)
(セ)
小球1と小球2を一体化して考えて、衝突の式を利用してしまうと未知数が消えないままなので、小球1と小球2をそれぞれ別に力学的エネルギー保存の式を立てて、連立式にして解く。
[小球1] \(\displaystyle\frac{1}{2}mv'+\frac{1}{2}kx_0^2=\frac{1}{2}mv''^2+mgx_0\)
[小球2] \(0=\displaystyle\frac{1}{2}mv''^2-mg(L-x_0)\)
より、辺々足して
\(\displaystyle\frac{1}{2}mv'^2+\frac{1}{2}kx_0^2=mgx_0+mg(L-x_0)\)
(サ) \(v'=\sqrt{v^2-2gL}\), (ク) \(x_0=\displaystyle\frac{mg}{k}\) を代入
\(\displaystyle\frac{1}{2}m(v^2-2gL)+\frac{1}{2}k\left(\frac{mg}{k}\right)^2=mgL\)
\(v^2=4gL-\displaystyle\frac{mg^2}{k}\)
問1
略