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電磁気11 静電エネルギー

静電エネルギー

コンデンサーを充電する過程を、電子一つずつのレベルで考えてみます。

 

まず最初に、極板に電荷が蓄えられておらず、極板間に電圧がかかっていない状態で、電子を一つ送り込みます。このときに電池がした仕事は、

 \(W=qV\)

で計算ができますが、\(V=0\)なので、

 \(W=0\)

です。

 

「仕事=力×距離」の観点から見れば、極板に電荷がないので、力なしで電荷を送り込むことができる、ということになります。

 

 

少し充電されたあとに、さらに電荷を送り込もうとすると、極板に電荷が少し蓄えられているので、極板にいる電荷と、送り込む電荷との間に反発力がはたらきます。

 

極板に蓄えられた電気量が増えれば増えるほど、反発力が強くなるので、電荷を一つ充電するだけで大きな仕事が必要になります。

 

 

少し充電されたあとに、さらに電荷を送り込もうとすると、極板に電荷が少し蓄えられているので、極板にいる電荷と、送り込む電荷との間に反発力がはたらきます。

 

極板に蓄えられた電気量が増えれば増えるほど、反発力が強くなるので、電荷を一つ充電するだけで大きな仕事が必要になります。

 

 

 

 

縦軸を電位、横軸を電気量にして、この充電過程をグラフ化してみました。

一つ目の電子を充電させるときは、\(W_1=qV_1=0[J]\)、二つ目の電子を充電させるときは少し高くなった\(V\)を使って、\(W_2=qV_2\)、三つ目の電子を充電するときは、さらに極板間の電位差が\(V\)だけ高くなって\(W_3=qV_3\)…となり、充電するのに電池がした仕事の総量は、グラフの三角形の面積を計算すればいいことになります。

 

 

▼静電エネルギー

 \(U=\displaystyle\frac{1}{2}QV\)

 

 \(U=\displaystyle\frac{1}{2}CV^2\)

 

 \(U=\displaystyle\frac{Q^2}{2C}\)